- 取材
- 2015. 06. 24
【小林Ken × 仲谷裕治】“日本人美容師”が進出しやすいアジア・ASEANの国とは?
前編/後編/番外編による全3回でお届け致します。
前編:“日本人美容師”が海外で勝つために必要な事。
仲谷裕治(以下:仲谷)
海外に出店するとき、駐在の日本人をターゲットにするか、現地の方をターゲットにするかで単価やお店の作りも変わってくると思うのですが、assortの場合はどういったターゲットを狙っているのですか?
小林Ken(以下:Ken)
ただ海外に行きたいというわけではなく、「同じサービス」「同じ雰囲気の提供」を行っているので、どこも変えてないですし、カット単価はどの店舗も7,000円前後。
なので、ターゲットの設定というより「一緒くらいの街を選んでいる」という事でしょうか。
仲谷:
なるほど。
シンガポールの人口は700万人、香港も同じくらい、ベトナムは1億人に達しようとしている。
人口でのマーケットの評価はしないんですか?
Ken:
どんなマーケットでもシェアを取ればいいと思っているので、重要視はしていないです。
人口での評価よりも、全体を考えます。
例えば、東京とニューヨークにサロンがあると、香港での出店がしやすいだったり、
シンガポールに出店するとしても、東京と香港にお店があれば、シンガポールの人が来店しやすい。
なので、最初にニューヨークから始めたました。
やはりそういった点では、ニューヨークがトップだと思います。
それと、人口で考えてしまうとそこで止まってしまったりする。
やりたい事はそういう事ではないし「一発儲けよう!」と思ってやってるわけではないんです。
それと、僕は人口が多ければいいわけではないと思ってます。
「価値観」や「 人」、好き嫌いなどの「直感」も大事だと思います。
仲谷:
なるほど。一般的なマーケティングで考えれば、みんな同じ国や地域に出店してしまい結局、競争が激化してしまいますからね。
編集部:
とはいえ、
物理的な部分において、一番重要な要素をあげるとすれば?
Ken:
ビザがおりるかどうかです 笑
そういった点で考えると・・・シンガポールじゃないですか?
仲谷:
シンガポールは地価や物価が高いので、「ブランド」をしっかり考えないと難しい場所の一つだと思いますが・・・
Ken:
なるほど、上海はどうですか?
仲谷:
上海もそうですが、基本的には日本人の駐在が多い、または増えている国は、チャンスが多いのではないかと思います。
例えば、タイやベトナム、マレーシアなど・・・
最近、弊社もマレーシアとの取引が始まりました。
弊社の代理店はクアラルンプールにあるのですが、シンガポールほど物価も高くなくて、シンガポールの流れを汲んでいるので発展著しい。
刺激的な国ですね。
編集部:
マレーシアはブルーオーシャンと言えますか?
仲谷:
いや、もう日系サロンも増えてきますし、ブルーオーシャンとは言えないと思います。
ASEANに関しては、既にブルーオーシャンと言える地域はないのではないでしょうか 笑
ただ、国民の平均年齢はベトナムが27歳、マレーシア26歳、日本は44歳。
国の年齢としては、ベトナムやマレーシアが若く、これから勢いよく成長していくのではないかと考えています。
それと昨年、オーストラリアの「ヘアエキスポ」に視察に行きました。
物価も高くて、ほとんどマックを食べてました 笑
オーストラリアは、日系サロンはあるのに、日系メーカーの代理店はほとんど無い。
日系メーカーとしては、ブルーオーシャンの市場だと感じました。
Ken:
オーストラリアは考えた事があります。
全日空の直行便が無いので止めましたが 笑
やっぱりビザの問題が一番なので、オーストラリアはワーキングホリディの制度がある事は大きいと思います。
ニュージランドとかも。
仲谷:
そうですよね!
ちなみにその時、時間があったので、シドニーでカットをしに行ったんですよ。
日本の国旗があったので日系かなと思ったら「どローカル」で 笑
日系サロンではなく「親日サロン」だったんですよ 笑
全然日本語通じないし!
カットは6~7千円位取られました 笑
とはいえ、オーストラリアは街も綺麗で美意識も高く「面白い市場」だと思いました。
仲谷:
後は「パートナー」選びが重要だと思います。
市場がどうかというより、一緒に仕事をする現地社員やパートナーで結果は大きく変わってくると考えています。
しっかりとした「軸」というか「イズム」みたいなモノを理解して共に活動してくれるかどうか。
例え、グローバルに対応した人材であっても、その辺が共有できないと結局難しい状況になると思っています。
これは、現地の代理店に関しても同様で、想いだったり、方向性などを共有できないと難しい・・・。
Ken:
僕らも現地から採用して、日本で教育、言わば「assortイズム」を伝承して、
彼らの母国でサロンを展開するみたいな事がしたいんですが、美容師免許が邪魔をしてます 笑
この辺りは、変えて欲しいですね。
Ken:
実際には、美容業とか関係なく、僕たちがその国にいる人達に「何か出来る事はあるのかなぁ?」ということだと思います。
良いものがあるから、ゴリ押しで「どうやっ!」ではなくて、「この街の人たちに幸せを与えられるのか?」
それが根本だと思う。
だから、どこでも出来ると思います。
仲谷:
そうですね。
進出しやすいエリアというのは無いと思います。
「目的」と「パートナー選び」が重要だと思います。
Ken:
やりやすい所はあるとは思うけど、やりやすいからといって成功するとは限らない。
やはり、やる人がそこが好きじゃないとダメなんじゃないかと思います。
–番外編【海外進出において、一番困った事とは?】は6月28日に公開–
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