- コラム
- 2016. 02. 04
技術の安売りは何も「クーポン」だけではないよ?という話。
あ、写真は特に意味はありません。なんとなくです。
こういった…
木村直人とエザキヨシタカのマルチバースサロン – Synapse(シナプス)
オンラインサロン「マルチバース」みたいな取り組みも今回の話には全く関係ないわけではありません。
今回のプールマガジンオーサーテーマは…
「2016 美容とIT」というお話。
*「なんか世の中おかしくない?」そう思ってしまう近年
僕が色んな事に違和感を感じ始めたのは、ほんの数年前から。
「貴店を紹介します!」という依頼名目で”無料”でお願いします。というコンテンツ作成依頼が異常に増えたんですよ。
んでもまぁ、その当時はまだ雑誌でのブランディングなども成立していて、その流れでの話をならまだ全然わかるし、自分自身は雑誌に育てていただいたという自覚と感謝もあり、どちらかというとウェブにトライしたいというものに関しては「少しなりとも恩返しできるのであれば」という気持ちで取り組んでいた。
*「技術の割引は良くない!!!クーポン使わない!」→「こんなこと普及してさせやがって」→「ポータルサイトへの怒り」それって、そこだけですか?
最近ではポータルサイトに対して「クーポン」や、美容師の割引スタンスについて取り沙汰される事が多いように思いますが、僕自身はそういうのに関しては個人の自由ですし、何よりも自分判断で行っている事ですから、自店内ではもちろん思う事は話すものの、ウェブ上で業界に対してという意味合いで発言した事はありません。
ですが、不思議に思うのは…
「技術の安売りってそれだけ?」
と、思うんですよね。
*無料で何かを提供したりするのは「技術の安売り」っていう価値観はないの?
というのをひしと感じています。
誰もそこに言及する人はいない。
だから私が言及しよう。
「それ。技術の安売りですよ。」
と…
近年、美容系ウェブサイト、キュレーションメディアなども活発で、乱立しています。
その中で何かを提供する事は「店の紹介、個人のブランディング」にもつながる。
それは確かに有益な事ではありますが、ほとんどのウェブメディアに…
「紹介力などありません。」
むしろ、そうやってコンテンツを皆で持ち寄る事で、シェアなどが生まれ元々「自分力」だったものがそこに提供されあっているだけの事であり、自己財産を消費しているにすぎません。
成長を果たしているメディアに提供する事に価値は感じますが、立ち上がりからの関わりに慎重なのはそういう所があります。
完全なる可能性を感じたらもちろん無償で協力します。
僕がその可能性というものを感じたのは…
MERY [メリー]|女の子のためのキュレーションメディア
と…
by.S
だけです。
この2メディアに関しては立ち上げ当時から積極的に書いてきましたが、成長はいうまでもなく、またなんでここにはそういう風にしていたのか?というと…
「人」
でしかありません。
そのメディア自体に関わっている人を見て判断していました。
「消費させるだけでは終わらせない気概」
を感じたからです。
そういった成功モデルもあってか、どんどん増えていくメディア。
んでもそのほとんどは「書く人頼み」のものが多く、そこに対しての予算付けもしていない。
特に…
「美容師」に関しては。
僕らが提供する情報というものは有益であるはずだし、変にエッチなタイトルつけたり、大きな事をタイトルつけしたいわゆる釣りタイトルなどにしなくても皆興味があり、喜ばれるものなはずなんです。
みんなキレイになりたいわけであって、それを司る我々が提供する美容情報というものは価値があるはず。
そういった貴重な情報というものをただ無償提供し続ける感じというものは「技術の安売り」にはならないのでしょうか?
そういった世知辛さみたいなものも感じたりしている今日です。
*正直、雑誌に対しても思う
そういったものはヘアペーシなどのヘア系コンテンツを持つもの全てに言える事だと思っていて…
もちろん僕は恩恵を受けてきた人間ですので自覚はしているものの、これからの部分でもう同じ状態では発展は望めない様に思ってしまう。
「紹介しているから無料で」
みたいな神通力がどこまで通じるのか?は正直な所、向き合っていくべき課題なのではないだろうか?と…
ましてや…
「ありがとうございます。の押し付け」
みたいなものも正直感じる部分があり、僕らの世代はきちんと恩恵を受けてきた部分で「ありがとうございます」と心から言えるものの、今の世代はどうだろうか?
心からの「ありがとう」が言えているのか?は懐疑的な部分であり、上の立場の人間がそれを理解せず、押し付けている様にも見えてしまう。
そういう感じにならない様に、そしてまたそこからの発展系を考えていくべき時代に突入している様に思う。
なので今一度言います。
「技術の安売りはクーポンや割引だけ?」
僕はもう…
「無料でウェブメディアにコンテンツは提供しない」
こうやって、自分にリスクを背負う発言をする者もいなければ、変わる事も発展をする事もないと思うから。
実際、今、記事依頼かけてくれるメディアの多くは正当な記事料を支払い依頼をしてくれています。
ここで冒頭に戻りますが、オンラインサロンでの収益も大きいです。
正直、髪を切らなくても豊かに暮らせるレベルに昇華されています。
「売上げ」というので、評価をされるだけなら、実際のサロン”だけ”での評価だけでなく、そういった部分での売上げも評価されるとしたらはっきり言ってトップランカーである事は疑う余地もないであろうと思いますが、正直、その辺の見地まで業界の認識が至っていない事を憂いています。
実際にお客様に提供する「技術」だけではなく…
「情報という技術」に対しての対価が求められている時代が来ているのです。
そういった部分を考える1年になるのでは?なんて思っています。
こういったところもいい形で問題提起になると良いのですが。
今年のプールマガジンもまたちょいちょい書いていきます。(ちなみにプールマガジンも些少ですが、記事料をいただいています。始める時からその様なお願いをしていました。)
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