- 集客
- 2015. 02. 19
僕ら日本人美容師は神様だと思われている。
先日、久しぶりに(外国からの)新規のお客様を担当させて頂き、その際に感じたことを皆さんにシェアしたいと思います。
彼女は香港人で、最近日本に引っ越されたばかりで、英語が通じる美容室を探していたところASSORTヘご来店頂きました。
数ヶ月前にアジア(現地)の美容室でカットパーマをしましたが、思っていた以上にパーマが強くかかってしまい(日本でいうコンサバテイストの、ゆる巻きヘアを希望していたそうですが、ソバージュのように全頭、根本から細かいカールがたくさんあるヘアになってしまいました)、不器用ながらも毎日ご自身でブローをしてパーマを伸ばしていたそうです。
彼女の希望としては、朝起きてシャンプーし、(ドライヤーも使わず)できれば何もしなくても、ヘアカタログに載っているようなヘアスタイルになることでした。
もちろんダメージレベルもとても高く、本人は長さも変えたくないとのことでしたので、私なりに色々考え、提案させて頂きました。
結果として、お客様が本来ある綺麗な髪「素材」を再度取り戻すために、(徐々にですが)まずは髪を健康な状態に持っていき、少しずつですが希望のヘアスタイルへシフトしていきましょうとの提案でした。もちろん明日からも扱いやすいよう、綺麗にカットし、ご自宅でのお手入れの説明などをしっかりさせて頂きました。
この流れは、日本では一般的な流れのように聞こえるかと思います。
が!
私が今回皆さんにお伝えしたいのは、
私が彼女に何を提案したかとか、
彼女が結果としてどんなヘアスタイルにしたかったとか、、、
そこではなく、別のところです。
実は多くの外国人は日本の青山や原宿にあるような美容室にいけば、(今の髪の状態や髪質がどのようであろうが)希望のヘアスタイルになると思っているのです。
そして、ご自宅でのお手入れもほとんどしなくても希望の髪型の仕上がりになると思っています。
それは何故でしょう?
答えは各国の美容師の教育にあります。
日本で生まれ育った日本人のほとんどは、自分の髪質や骨格までもある程度理解していて、美容師さんに以下のようなことを言われたら、納得する人が多いでしょう。
「この希望している髪型は、髪質的にちょっと難しいですねー」
「ちょっと痛みすぎているので、パーマ(またはカラーリング)はしない方が良いですねー」
そして。。。
「そうか、そうですよね。無い物ねだりですものねー」
↑このような流れになりやすいです。よね?
※すいません、全てざっくりと伝えています。もちろん、ご希望のスタイルを作れることの方が多いです。
ところが外国(主にアジア)からいらっしゃる方は上記にように思わない方が多いです。何を思うかと言いますと、、、
「え?なんで?WHY?」
そうなんです、
僕ら日本人美容師は神様だと思われているのです。
アジアでは特に日本の技術はとても高く評価されています。日本人美容師というだけで現地の美容師さんより、はるかに高いカット料金を頂くことも一般的ですね。
でも皆さん、決してその方々を悪く思ったり、責めないでください。
彼ら、彼女たちは純粋に「知らない」だけなんです。
なので、我々美容師が教えましょう。最初は理解していただけないとは思いますが、基本的なことから(わかりやすく)伝えて、お客様を「教育」していきましょう。
今の日本の美容業界がこれだけハイレベルになり、世界でも高く評価されているのは、今までこの業界を作ってくださった先輩方々のお陰です。美容師さん、メーカーさん、ディーラーさん、お客様、美容に関わってきたひとりひとり全てです。日本の底力とは、やはり教育から生まれる強い組織力で、日本の文化そのものですね^^ 国(日本)に感謝しましょう。
今後外国からいらっしゃるアジア人は年々(確実に)増えます。その際、技術説明を行う場合は相手が何もしらない前提で、しっかり、さらにわかりやすく伝えることを心がけましょう。
そして日本の美容業界で育ち、現在海外で活躍されている美容師さんも、もっともっとその知識を広げ、世界中の人が一人でも多く、美容によって幸せになることを願いましょう。
では have a nice day 🙂
小林 Ken
twitter: @assort_ken
instagram: assort.ken
facebook: the.ken.kobayashi
blog: 小林 Kenのブログ
p.s. 逆に日本の良くないところは、ヘアカタログで巻き髪を「パーマ」と掲載しているところですかね?よく聞かれるのは「え?これパーマじゃないんですか?ヘアカタログや美容師さんは嘘をついているのですか?」などです。一応、それも参考までに。
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