- 技術
- 2014. 09. 05
【足し算の髪の毛】と【引き算の髪の毛】
「美容師さん」にも「一般の方」にも読めるエントリかと思います。
昨日…
”【凛として】現役美容師が推奨する【大人女性の為】のヘアスタイルオーダーのポイント”(リンク)
っていう記事を「SELECTY」っていうちょっと大人向けメディアに書いてたんですけど、これに関してはTwitterを中心に読まれていて、FacebookとTwitterの関係って面白いよね、と思う事も。(普段はFacebook中心で読まれていることが多いので)
んでも概ね好評というか、女性的立ち位置からするとプロから刺激的な文言が入る事は割と稀で、あえて…
「女子力低いですね」
「起きたまま、そのまま出社などという甘い考えは捨てろ」
みたいなワードを入れ込んで強めの喚起をしている所もあります。悪気はありません。
んでも内容に関してはやはりプロという所からの視点で切り込んでいるので何かしら感覚的なものでの美意識向上になってくれてればよいのですが。
書いていた内容にも迫るものにもなりますが、近年の部分では「髪の毛の在り方」においても疑問を抱く事も多く…
【足し算の髪の毛】
になりがちなんじゃないかなー。なんて思っています。
*「とにかく雰囲気を変える」という半ばマインドコントロール的文言に支配され強引にやりすぎる(変えるという使命の為に無理矢理切るポイントを見つけようとする)」
*「なんでも”プラスワン”(ハイライト入れましょう、パーマかけましょう、トリートメントしましょう)
*カットはマスト!(絶対メニューに入れなければ気が済まない)
上記の例だけにとどまらず炭酸泉しかり、ヘッドスパしかり…様々な要素か溢れていると思います。
「本当になりたい髪において必要であるかないか?」
という所においてはそれぞれの美容師とお客様の判断でしかありませんが、「足していくヘアデザイン」という所はこれからも増えるのは当然で次々と新商品、アイテムなどが発売されるわけですから致し方ない部分もあると思います。
それでも思うのは…
自分のデザインにとって「適切か?」
という所は己に問う所でもあり、近年、ある意味そういう部分に対して振り切れているのはそういった事に対しての判断がお客様に受け入れて頂け、日常、自分が満足出来る数の顧客数の表れでもあります。
僕は「メイク」も技術項目において好きなもので…
尊敬する先輩からメイクを習う時に1番頭に残っているのは…
「メイクは引き算しろ」
という言葉でした。
メイクも足し算型になりやすい。
そう、メイクもやればやるほど終わりがないんですよね。
素材活かしたり、必要な所に適切にのせる。イメージに合わせてパーツ毎の強弱をつける。などのメイク方法が1番受け入れられている時代(かつてはアイメイクごりごりとかギャルメイクなど究極足し算メイクも流行していた)そんな背景からも…
「あー。ヘアスタイルも足し算ばっかになっていたなぁ。」
とある日思う様になり、現在の思考に至っている部分もあります。
そうなった時に…
記事上のコラムの様に…
「無駄には切らんでいい」
「スタイリングは必ずしろ。女子力低いぞ」
などの文言が生まれるわけなんですよね。
実際のサロンワークにおいても、「カラーのみで来店」とか「カットメニューを省いたものでの来店」みたいな感じも劇的に増えており、プレイスタンスが反映されているものと思います。
僕は基本的にカラーは自分でやるので、カラーをご自分でされない方はカットメニューを省かれると指名という枠の部分にブレが出る可能性があるかもしれませんが、僕はそういうスタンスなので自分自分の力を発揮できる環境下だからこその価値観なのかもしれません。
それがいい、悪いということではなくそういった思考も選択肢の中に入れておくという事をしておくと、よりデザインの幅しかり、美容室の利用の仕方の認識が変わるものでもあるのだろうか。そんな感じに思うわけなんですよね。
基本的にはこういうスタンスになってからは劇的にスピードが向上したことと、記事上リンクの記事に載せさせて頂いている方々の様に…
「明らかに美髪になりましたよね。」とお声掛けされる方が増えている様です。
やはり、何かを足していかないと怖いものです。(変えるという願望を果たせるのか?また来てくれるのか?など…)
んでも、しっかりと自分の考え方を話し、理解を頂いた先に得られる評価などもあり、最近の美容においては…
【引くスタンス】
も色濃く出ております。
そういった、感覚だけでも持っておくとこれまた世界は広がり、色んな意味で(やらなければないと思っていた、気が済まない、自分に自信がないなどのお客様にも)よい効果が生まれる場合もあるのではないでしょうか。
まあ、正直何が正解など誰もわからない世界です。
ただ、オリジナルは作れると思うんですよね。
常に疑問とそれに対しての自己解決を繰り返して日々を過ごす事。
そういった事により色んな広がりが得られるのでしょう。
また何か感じる部分があればご参照ください。
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