• 教育
  • 2017. 02. 18

果てない教育への思い

「Wizにいると駄目になる」

Wizがまだ1店舗しかない頃、私にとって衝撃の一言が耳に入りました。退職予定のスタッフが在籍中のスタッフにこのように言って回っていたのです。当時駆け出しでルールもあまりなくモラルも低い職場に嫌気がさしたのでしょう。私なりに一生懸命やっていたつもりでしたが働いているスタッフはこのように思っていたようです。この言葉を聞いた時、自分の能力の無さ、無知を感じまた悔しさと情けなさに襲われました。今でもこの記憶は鮮明に残っております。またそのように感じさせてしまった当時のスタッフ達には大変申し訳なく思っております。このような出来事は大小割と頻繁に起きておりました。その度自分には向いていないと何度も諦めそうになりながらも負けず嫌いの私は、スタッフが「ここで働けて良かった」と思ってもらえるような会社にしようと毎日毎日考えまた行動に移していきました。多くの事にトライしていましたがその中で今回紹介するのは「教育」についてです。当時何もない私ができる事は美容の技術を皆に教え、美容師として一人前に育てる事だと思っていました。

 

元々教育者とは無縁な資質である私が「教育」を語るのは恐縮致しますが私なりに行ってきた事を綴っていきたいと思います。当時スタイリストは私1人でアシスタントを教える立場にありました。   この頃はまず教えるのに自分が基礎を深く理解しておかなければいけないと思い、ひたすら基礎に立ち返り勉強し技術を学んでいきました。そしてとにかく練習日もそうでない日も練習するスタッフがいればひたすらに教える毎日でしたが中々上手くはいきませんでした。皆すぐにやる気を無くしてしまうのです。実績のない私の美容室に働きに来る人の多くは「絶対に美容師になりたい」と思っている人はあまりいませんでした。そのようなスタッフに自ら練習したい。美容師になりたいと思ってもらう為にはどうしたら良いのかを日々考え、本などを読み漁っておりました。技術を教えるという事だけではなくどのようにスタッフに接するべきかなども学び始めたのです。結果的には「常に気にかける」事が必要だと感じました。やる気が無いときは励まし、間違っていると思う事は叱り、背中で美容師は楽しいよ仕事なんだよと見せたり…。

 

徐々にですが育っていくスタッフもでてきました。しかしながらスタッフが増えていくにつれ新たな問題が。まずスタッフが増えても教えるのは私1人では教えきれない。他のスタイリストに教えるように任せても教え方に統一性がなさすぎて練習しづらいと言われる。そこで徹底的にマニュアルを作り込む事になりました。また基礎だけでは到底一人前になれないので基礎から応用。また知識、接客、その他美容師に必要なスキルを洗い出して細部までカリキュラムを組んでいきました。これにより教える方もさほどブレがなくなり。教わる方も1人前になると同時に教える事ができる美容師として成長していく事ができました。ちなみに当時スタッフが10〜20人くらいの時から100人になっても耐える事ができるシステムを念頭に考えておりました。

 

しばらくして規模の大きさや時代の変化によりまたもや新たな問題、改善点がでてきました。当社に限らないと思うのですがスタイリストになるまでの時間を短縮しなければ給与も上がらず、やりがいを感じるまでに時間がかかりそれによりモチベーション低下をおこしてしまうという事でした。モチベーションや練習量に関しては本人の問題もあるとは思うのですが、私としては短縮させるという事は重要な改善点だと思っておりました。何故ならばゴールが早く明確であれば自然にモチベーションが上がり活気がでてきます。そのアシスタントの活気が先輩スタイリストへ大きな刺激を与え、それがそのままお客様へのサービス向上とつながるのです。この好循環のパワーは会社の成長にとっても必要不可欠だと思ったからです。

 

スタイリスト短期デビューに関しては「何かを省いて短期デビュー」ではなく「すべてを会得した短期デビュー」を目指している為様々な工夫をしております。IT活用による時間的な効率化やトレーニングサロンなど物理的な効率化などを仕組みとして構築しております。また技術の仕組み化だけでは感情マネジメントはできませんので組織の管理体制として「常に気にかける」事に関しても仕組み化を始めております。現在では20歳でスタイリトデビューや1年ちょっとでデビューというスタッフも現れてきました。さらには教育システムを気に入り入社してくれるスタッフが増えて益々好循環になっていると感じます。

 

しかしながらまだまだ課題はありますし、時代と会社規模により正解が変わっていく為出来上がる事はありません。私が直接技術を教える事は殆ど無くなりましたが幹部と共に、今後もスタッフが「Wizで働けて良かった」と思ってもらえるよう、またWizに来て下さるお客様が「Wizがあって良かった」と思って頂けるよう美容の技術をしっかりと伝えていくという事に果てない思いで取り組んでいきたいと思います。

wizHP
facebook
twitter

POOLMAGAZINE公式LINE@
おすすめの記事をお届け!
友だち追加

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

NEW ENTRY

最新記事のつづきを見る

CATEGORY

POPULAR ENTRY

Six by ネイル大学

BACK TO TOP